大学病院や総合病院で、スチールや動画撮影を行う機会の多い我々にとって、医療系ドラマは撮影シーンや手法を学ぶ格好の題材でもあります。6月10日(日)の「ゲンバビト」という番組では、今話題の医療ドラマ「ブラックペアン」に登場する手術支援ロボット「ダヴィンチ」が取り上げられていました。

「ダヴィンチ」は、従来の腹腔鏡手術をさらに進化させ、患者さんの負担(侵襲)が少なくなるよう開発された、からだに優しい先進の手術支援ロボットです。日本では約250台普及しているといわれ、アメリカに次ぐ、世界第2位の医療ロボット大国とされます。

以前、名古屋市立大学消化器外科のウェブサイト制作において、教授陣の好意により、ダヴィンチの手術シーンを撮影するチャンスに恵まれました。息をひそめるように手術室に入ると、自分の指先のように自在にロボットを操る様子がリアルタイムにモニターに映し出され、まさに「神の領域」と身震いしたものです。

今年4月から前立腺がん、腎がん、直腸がん、胃がん等の手術に対してロボット支援下手術の保険適用が承認され、ダヴィンチの保険適用範囲のさらなる拡大が期待されています。多くの患者さんにとって、よりダヴィンチが身近なものとなるよう願っています。